・ビシ状アクリルファイバーを使った結髪

 ここ、8ヶ月ぶりに更新ですか、そうですか。
えーと、結髪です。
左手に髪の毛、右手にグルーガンな状態の作業なので 作業中の写真を撮る事が出来ず、工程の割に写真が少なくていつもに増してわかりにくいかもです。
 部屋が散らかってるのは仕様なので見て見ぬ振りしてください。
踏みさえしなければ工具は床に落ちてる方が使いやすいんで、 とか言い訳して本題。

 いつも通り用意する物からです。
マスク本体
 目入れ、内装等結髪以外の工程は全て終わらせておきます。
今回は話題のぬこ面でやってみます。

ビシ状アクリルファイバー1m長×1kg
 片方の末端が編まれていて暖簾状になっている (ビシ状になっている)アクリルファイバーです。 このページ内ではファイバー部も含めて単に「ビシ」と呼びますが、 特に編んである部分の事を指している事が多いです。
 実はこれの入手がこの工程で1番難しいです。
そもそもこんな物どこで売ってるのか見当つきませんし、 受注生産なんで発注してから納品されるまで2ヶ月くらい掛かります。
 僕はイルカ工房さんから売ってもらってるのですが、 カラーエクステンションをオーダーメイドしてくれる美容室でも入手できると思います。
詳しくは問い合わせてみてください。
 イルカ工房さんから買っているファイバーだと 1mの長さのファイバーが1kgあると、 ビシの長さでいうと10mなので、 ビシの長さで発注する場合は10mくらいで頭頂高30cmくらいのマスクなら1個結髪できると思います。
 ちなみに、写真に写っているのは200g、ビシにして2mの束です。

グルーガンとグルースティック
 グルースティックは毛の色にぴったりあった物を。
合う色がない場合は透明なものがいいと思います。
むしろ常に透明なものを使った方がいいような気がしてきました。
 グルーガンは写真右のようにピースハンガーに引っかかるので、 グルーガン自体はスタンドは付いてないか取り外し可能な物が 使いやすいと思います。

変型ギター用ハンガースタンド
 本来は底部が変型してて普通のスタンドに立てかけられないギターやベース (ExplorerとかFirebirdとかThunderbirdとか)を引っ掛ける物なんですが マスク引っ掛けるのにも丁度いい高さだったので利用してます。
 こんな感じの1mくらいの高さのスタンドならなんでも良いとは思うんですが 他にはマイクスタンドくらいしか心当たりがないです、はい。


 この辺から現物の写真無しです、すみません。

ラッカー塗料
 毛髪の下の地肌(ウレタンレジンですがー)を目立たせないように地肌を毛髪と 同じ色で塗装するのに使います。スプレー缶が便利です。
 同色の布を貼り込むテクがあれば、グルーの食い付きが良いのでそっちの方がいいのですが、 それ、僕には無理なんで塗装しますね。

マスキングテープ
新聞紙
 下地塗装を行う際のマスキングに使います。

つっぱり棒
大き目の洗濯バサミ
 ビシを広げて吊るします。

ハサミ
 ビシを切ったり、毛を切ったり。
理髪用のが使いやすいかもしれません。

グラスメジャー
 マスクに当てて必要なビシの長さを測定して、 ビシを切ってくるのに使います。

スケルトンブラシ
コーム
ヘアクリップ数個
整髪料
 髪型をセットするのに使います。
整髪料はスーパーハードスプレーやスーパーハードジェルが使いやすいようです。

霧吹き
リンス
 霧吹きの中でリンスを水で溶いて毛に吹き付けて、櫛通りを良くします。

ドライヤー
 リンスや整髪料を乾かすのに使います。


○下地塗装
 アクリルファイバーって割とスカスカなのでかなり高密度に植えないと 下地が見えてしまう訳なのですが、植毛密度を下げて下地が見えてしまっても目立たないように、 顔面を新聞紙でマスキングして毛を植える予定の所をアクリルファイバーと同じ色で塗装します。
 まあ植毛面より塗装面が小さくなる分にはちょっとくらいズレてても大丈夫な結構大雑把な工程です。
○前髪の植毛
 ビシを袋から出して末端が絡まないように広げて、 つっぱり棒みたいな宙吊りの長い棒に洗濯バサミか何かで吊るします。
 つっぱり棒よりビシの方が長く、つっぱり棒の長さが足りない場合はビシを折り返しても大丈夫です。 現に写真では二つ折りになっています。
 ビシを広げる時に、末端を絡ませないようにするのにちょっとコツが必要なのですが、 こればっかりは動画でもないと書き言葉では説明出来無いので割愛です。

 マスクに前髪をどういう風に植毛するかの 目安になる線を鉛筆で書き込みます。 ちょっと写真だけじゃ判り辛いので、 こんな風に植えたよ、っていう図も載せておきます。
 分け目は左側にオフセットさせてあります。

 グラスメジャーで植毛する所に必要なビシの長さを測って、 その長さにビシを切り取ってきます。

 塗装した表面にグルーを少し盛って、 それをビシの上から親指で押し潰すようにして圧着する作業を 1cm間隔くらいで行います。
やけどに注意です。
 この写真で見えるかなぁ・・・
 あと、どうもビシには裏表があるようなのですが、 どっちが表でどっちが裏なのかよくわからないので この件については割愛します。 ご存知の方がいたら教えてください。


 ビシは下から上に貼り付けていきます。
 当たり前っていったら当たり前なんですが、 下の方は上から大量の毛が被さって来て 下地が見えにくくなるので、ビシの使用量を 節約する為にビシとビシの間隔をやや広め(2cmくらい)で 植毛していきます。
毛が足りなくなるより余る方がいいですから。
 段々上の方に行くに従って上から被さってくる毛の量が減るので、 ビシの間隔を狭めていって、ほとんど上から毛が被さってこない 頭頂部は大体5mm間隔くらいになると思います。
 下の方は2cm間隔、中間部〜頭頂部付近までは1cm間隔、 頭頂部付近は5mm間隔くらいが目安でしょうか。
 こんな感じです。
しかし黒くて見づらいですね。 まあ植えた所を目立たせないようにやってるから仕方ない訳なんですがー
 マクロレンズとマクロフラッシュかぁ・・・十万円コースだなぁ・・・

鉛筆で引いた目安の線に沿ってひたすら植えます。

300gのビシを使った所で前髪の植毛が終わりました。

 FS-1型YSS-1型のように 前髪と後ろ髪を個別な物と考えて作業出来る場合は、 前髪が植え終わった段階で前髪をある程度切り落としておく方がその後の作業の取り回しが楽なのですが、 今回は前髪が後ろ髪と絡むような髪型なので、 前髪は切らずに、 前髪と後ろ髪が後ろ髪を植毛する段階で入れ混じってしまわないように前髪を紐で縛っておいて、 後ろ髪の植毛をします。


○後ろ髪の植毛
 基本的に後頭部の断面に対して平行に植毛していきます。
 後ろ髪も前髪と同じく下のほうはビシの間隔を広くしてビシを節約し、 上の方は間隔を狭くして下地が見えてしまうのを防ぐのが一般的だと思うのですが、 その方法だとこのマスクの場合、後頭部が狭い為に後ろに垂れる髪が少なくなってしまうので 1cmの等間隔でやや狭めのピッチで植えていく事にします。
 断面の長さが40cm、ビシを植え込める幅が13cmなので40cm×13=5.2mの ビシがあれば後頭部全てにビシを植えられる計算です。 実際は頭丁に行くにしたがって断面の長さは短くなるので 5.2mも使わない筈ですが。
ひたすら植えていきます。

 ここまで来た所でこのまま断面と平行に植え続けると ツムジの辺りがおかしな事になりそうな事に気付いたので
こういう方向に植えて行こうと思います。

右半分を植え終わりました。
左半分も植え終わり、
 植毛は終わりです。
 ビシが丁度400g残っているので、前髪に300g、後ろ髪に300gで 合計600g(6m)のビシを使ったようです。
 前髪の方がビシを植える面積は少ないのに後ろ髪と同じ量を使っているのは
・前髪がマスクの印象を決めてしまう事
・マスクは前から見られる事が多い事
・前髪の方が下地の露出がある場合目立つ事
等の理由から植毛密度を後ろ髪より無意識的に上げた為だと思われます。
 っていうか、なんかこういう生物いませんでした?
ギャートルズかなんかに。
○調髪
 ええと、この項、キャラクターによって個別対応が必要なんで あんまり参考にはならないと思うんですが、一応。
 いつもここでコケるんですよね・・・

 取り敢えずひっくり返して顎の部分をハンガースタンドに引っ掛けます。 こういう事が簡単に出来るんでハンガースタンドは便利です。
 ひっくり返したら、櫛を通しても髪が絡まないように、全体的に水で溶いたリンスを吹き付けます。
まあ、それでも絡むんですけど、何もしないよりかなりマシです。
 


上下を元に戻して、前髪を立ち上がらせたいのでスケルトンブラシで毛を掴んで、 ヘアスプレーで固めてます。


 自分でもどうしたいのかよくわからなく、 というよりどうしたらいいかわからなくなってきました
 取り敢えずリンス吹き付けて立てた前髪を元に戻したりしてます。


 分け目より右側をいろいろやってたらなんとなく落ち着いたみたいなんで、 右側はこれで良しとしてヘアスプレーで固めます。
弄ってこれ以上おかしくなるのいやなんで・・・


分け目より右側をごちゃごちゃやっていた結果として、 左側は予定通りになってしまっていたので、 これはこのままヘアスプレーで固めて、 不要な毛を切り落として、




 一応完成です。
作ろうとしてた髪型の70%くらいは再現できたのかなぁ・・・?

 あと、これ調髪してて気付いたんですが、 原則的に下の方は間隔を開けて植毛してもいい、と前述した訳なんですが、 このようにオデコを見せてしまう髪形の場合、 オデコ付近のビシも被さってくる髪が無い為、下地が見えている部分があるので、 このような髪型を作る時はオデコの生え際付近も高めの密度で植毛する必要があるという事と、 分け目の部分に植毛されているビシの曲線を鋭角に曲げたり左右に分けて植えたりすると、 そこの植毛密度が下がるので滑らかな曲線で植毛した方が良いみたいです。


○おまけ:スチのりを使った結髪

 このまま髪型を固定してしまいたい場合は 発泡スチロール用接着剤の「スチのり」(建築模型用品として買えます)を小さ目の霧吹きの中でアセトンと混ぜて吹き付けます。
一度この混合液を吹き付けてしまうと髪型の変更は不可能になるので慎重に行ってください。
 以前FS-1型で試した所、混合比はスチのりを1に対してアセトンを2くらいが適当だと思われます。 スチのりを先に霧吹きに入れておいて、後からアセトンを加えてよく攪拌し、 霧吹きから霧状に混合液が出るようになる濃度が目安です。
 作業中にもアセトンがすごい勢いで霧吹きの中から揮発してしまうので、 霧吹きから霧状ではなく水鉄砲のように混合液が出るようになったらピペットでアセトンを足してください。
 混合液が塗装面に付着するとアセトンによって塗装が冒されてしまうので 作業時は塗装面をアセトンを透過させないビニールか何かでマスキングします。 新聞紙でマスキングすると新聞紙のインクが塗装面に付着するかもです。
 スチのり結髪はかなり強固に髪型を保持できるのですが、 一度セットした髪型は変えられなかったり(調髪に失敗した場合を含む)、 型崩れした場合元に戻すのに苦労するので、 個人的には水性のヘアスプレーやジェルなどで調髪して、 型崩れするたびに調髪し直した方がいいのかな?とか思います。


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